着飾らずに頂く極上コーヒー

もはやニューヨーカーにとって、コーヒーは生活に欠かすことができない存在となっている。カフェでパソコンを開き、仕事や勉強をしながらゆっくりとカップ一杯のコーヒーを楽しんだり、通勤途中にデリで手短かにコーヒーを手にいれオフィスへと急ぐといった具合に、そのスタイルは様々だ。
そんな中、イーストビレッジにある Abraço (アブラッソ。ポルトガル語で「抱きしめる」といった意味)は一風変わったコーヒーショップだ。

なかなか列を作ることのないニューヨーカーが、コーヒー一杯を求めて常時店先に長い列を作っている。
店内はとても小さくバーカウンターがあるのみ。テーブルや椅子、今や当たり前となりつつあるwifiサービスといったものは一切ない。それでもボサノバやジャズが流れる店内は、ひっきりなしに訪れるお客で十分活気に溢れている。
オーナーでありバリスタの Jamie McCormick 氏 (ジェイミー・マクコーミック)は、 サンフランシスコのブルーボトルコーヒーで修行を積んだ後、ニューヨークに帰ってきて店を開いた。自らカウンターに立ち、オーダーしてから豆を挽き、一杯一杯丁寧にドリップする。使用しているコーヒー豆は、オーナーが選び抜いたノースカロライナのcounter culture coffeeという豆を使用している。

コーヒーを飲んだ瞬間に口の中に広がる甘み、少しのフルーティーな酸味、そしてさっぱりとした苦み。「コーヒーがこんなに優しい味とは」と初めて感じる機会になるかもしれないだろう。その味わいはまさにこの店の暖かい雰囲気そのままだ。
Abraço のコーヒーは、多くのコーヒー好きなニューヨーカーたちをとりこにしている。常連客も多く、店先は多くの人らで賑わっている。

またパートナーであるElizabeth Quijada(エリザベス・キジャータ氏)による、コーヒーに合った季節のペストリーも好評で、中でもオリーブオイルケーキが人気。口の中に広がるオリーブオイルの香りがたまらない逸品だ。
オーナーを含め、常連客たちもフレンドリーでいつの間にか輪ができているという下町の小さなコーヒーショップ。オーナーからは、おいしいコーヒーだけではなく元気ももらえると言う。


Abraco Espresso
86 East 7th Street,New York, NY 10003
Phone: 212-388-9731