ペルーの食と音楽を体感できるライブスペースがNYに登場

6月ミッドタウン・イーストにオープンしたペルー料理レストラン「Tutuma Social Club」。
オーナーのサンティナさんは、ご両親がマンハッタンでピザ屋を経営。レストラン業の中で育ってきた彼女もいつか自分のお店を出したいと考え、いろいろな構想を練っていた。

そんな矢先、友達でミュ−ジシャンのペルー人、ガブリエル・アレグリア氏率いるバンド、「Gabriel Alegria Afro-Peruvian Sextet」のペルーツアーに同行。その旅先で自分のやりたいレストランに出会う事になる。

ペルーには、ライブ音楽、食事、お酒が楽しめる「PENA/ペニャ」というレストランがある。
人々がアットホームな雰囲気の中、楽しそうに食事や音楽を楽しんでいるのを見て、このペニャの空間をNYで再現したいと強く感じたそうだ。
その瞬間にレストランのコンセプトが決まり、わずか1年弱で自らがプロデュースするレストランが誕生したのだ。

地下にあるレストランには、狭い階段を降りて入るようになっていて、隠れ家的な雰囲気も醸し出している。中に入るとバー、ダイニングルーム、ライブバンドが演奏するステージがすべて1つのスペースに共存している。

サンティナさんのこだわりの1つは料理。ニューヨークのライブハウスを廻ったが、料理に感動を覚えることはなかった。そこで料理の質にもこだわることが大切と考え、有名ペルー料理シェフ、カルロス・テスティーノ氏とロドリゴ・コンロイ氏に依頼し、メニューを考案してもらった。両シェフは、味のクオリティーを保つこと、そしてメニュー変更のため、年に4回はニューヨークを訪れる。

メニューは全てタパス形式。量は少なめで、色々な種類の料理をシェアして食べることもできる。他のペルー料理レストランとの大きな違いは、伝統的なペルーの食材、味付けを保ちながらも、コンテンポラリーにプレゼンテーションするところ。一品一品のお皿の盛り付けは見ているだけでも楽しい。

ドリンクはなんといっても、ペルーの代表的なお酒、グレープから出来たブランデーの「ピスコ」を使ったカクテル。ピスコとキーライム・ジュース、そしてシロップをミックスしてできた定番「ピスコ・サワー」はもちろんの事、ピスコ、紫とうもろこしのジュース、パイナップルジュース、キーライム・ジュースを交ぜて作った「Maracuya sour/マラクヤ・サワー」、ピスコとパッションフルーツでできた「Chicha morada sour/チチャ・モラダ・サワー」があり、どれもフレッシュで飲み易い。

連日ライブバンドの演奏もあり、午後8時と午後10時の2部構成。8時のステージは毎週ゲストパフォマーを迎え、ハウスバンドとの特別バンドが編成される。10時からは、ハウスバンドのGabriel Alegria Afro-Peruvian Sextetが演奏。ステージと観客席はとても近く、熱のこもったパフォーマンスを楽しめる。

「ペルー料理を知らない人、ペルーの音楽を知らない人にそれらを紹介できる場所にできれば」と語るオーナーのサンティナさん。彼女の料理と音楽に対する情熱が、ニューヨークにいながらペルーのペニャにやって来たかのようなそんな錯覚に陥る空間を創り出している。

 


Tutuma Social Club

164 E. 56th St,
New York, NY 10022
Phone : 866-988-5299
www.tutumasocialclub.com