フランスの有名ベーカリーがついにNY上陸


なんでも揃うと言われているニューヨークで、いままでひとつ足りていなかったもの。それは焼きたて美味しいフランスのパン。日本では既におなじみの有名 ベーカリー、メゾンカイザーがついに待望のアメリカ1号店をニューヨーク、アッパーイーストサイドにオープンした。バケットやクロワッサンなどを販売する ベーカリーに加え、店内奥には104席ある広々としたカフェレストランも併設されており、朝食、昼食、夕食と時間によってそれぞれのメニューを頂く事がで きる。

メゾンカイザーの創始者であるEric Kayser氏はパン屋の4代目の息子として生まれた。数々のコンテストで優勝し、フランス国立製パン学校で10年間指導を行った後、1996年にメゾン カイザー第1店舗目をパリにオープンさせた。その後フランスはもちろん、ヨーロッパ、アジアや中東など多くの国に出店し、日本には白金にある本店を中心に 現在17店舗が営業中。世界中でメゾンカイザーが愛される秘訣は、本場フランスの焼きたてパンをその場で直接買えるというところ。今までニューヨークへの 出店は何度も検討したが、メゾンカイザーの味を伝えるための良いパートナーに出会うことが出来ず、時期を先送りにしていたそう。そして今回、アメリカでの 初出店に伴って、パン職人のYann Ledoux氏とパティシエのStéphane Jimenez氏を迎え、待望の出店という形になった。

マスターベイカーのYann氏は15歳からパン作りをスタートし、2006年にカイザーチームに入ってからはドバイやアブダビでのオープンを手掛け、現地 のスタッフをメゾンカイザーの味を安定して提供できるまで教育した。人を育てることにやりがいと喜びを感じ、また新天地であるニューヨークでもチャレンジ したいと志望した。パン作りが自分の人生と語るYann氏の技術はまさに職人芸。毎日同じ品質のパンを作るために、その日の天気や気温、湿度などを把握し たうえで、細かく調理の具合を変える。食材がシンプルだからこそスキルと経験が必要となる。今回の出店にあたって小麦粉の配合が一番難点で、本場のフラン スの味に近づけるのに苦労したそう。

ペイストリー専門のシェフとしてカイザーファミリーに抜擢されたStéphane氏はアメリカにおけるフレンチの最高峰、カリフォルニア州にあるフレンチ ランドリー、ニューヨークのパーセーのペーストリーシェフの経験を持つ。信念は自分の作ったもので、人を幸せにすること。甘さ控えめ、あくまでもフランス のスイーツを忠実に再現し、日本人の口にも合う本格スイーツとなっている。現在ペイストリーには約13種類のスイーツが用意されており、今後シーズンに よって変わっていく予定。値段が5ドル前後とお手頃価格になっているのも嬉しい。ニューヨーク店の看板商品として用意されたフィナンシェはピスタチオ、バ ニラ、ラズベリー、チョコと種類も豊富でお土産として持って行くにも最適の商品となっている。

また見逃せないのが、特別メニューとして用意されたエピ•イースト•サイドという名のバケット。普通のバケットとは形が異なり、ちぎって食べやすくなって いる。バン•ド•ミと呼ばれる甘い食パンも今回のオリジナル商品で、チョコ味やアップルシナモンメープルシロップ味など、甘いもの大好きなアメリカ人のた めに作られた商品だ。

今回オープンしたアッパーイーストサイドの店舗は、フランスの店舗と同様に毎日朝の7時から23時まで営業。レストラン奥のウインドーキッチンからはパン 職人が作業する姿を見る事ができ、今後は店先のカウンターからコーヒーや、夏はホームメイドアイス、冬はクレープを提供する予定。フランスの伝統の味だけ ではなく、エスプレッソマシーンから聞こえる音やバリスタがコーヒーを作る姿など、視覚、聴覚、嗅覚すべてでフランスを感じて欲しいとオーナーは語る。今 回の1号店オープンに伴い、ニューヨークでは今後、マンハッタン内に他2店舗の出店を予定している。その後はワシンントンや、シカゴなど他の都市への進出 を検討中。毎日でも食べたくなってしまう美味しいバケットは試してみる価値ありだ。


Maison Kayser USA

1294 3rd Ave 74th St
New York 10021
Phone: 212-744-3100
http://www.maison-kayser-usa.com/