ロングアイランドシティに待望のラーメン屋が登場「Mu Ramen」

地下鉄7番線に乗り、マンハッタンを出でクィーンズ区に入ってすぐのロングアイランドシティに待望のラーメン屋がオープンした。オーナー夫婦のジョシュアさんとヘイディーさんが営むこのラーメン屋は、 一度2013年にオープンしている。その時は、夕方までの営業時間終了後のベーグルショップを間借りし、ポップアップレストランとして数ヶ月営業していた。ラーメン屋ではないキッチンで限られた数のラーメンを提供していたが、多くのラーメンファンが訪れた。その後、自らのお店のオープンを目指し、2014年12月に、オーナー夫妻、そしてコミュニティーが待ちに待ったMu Ramenがオープンした。

“む”とひらがなで書いてあるガラス扉を開けると、そこは日本のラーメン屋とは全く異なる、お洒落なダイニングバーを思わせる光景が広がる。店の中心には16席のコミューナルテーブルがあり、その中央には、ミニガーデンが埋め込まれている。お店の玄関にある照明と店内の天井の波打つ個性的なデザインがとても印象的だ。入り口付近に設置されたベンチには、席が空くのを心待ちにするお客で埋まっており、ワイン、ビールをオーダーし、飲みながら気長に待っている。

メニューのカテゴリーは「スナック」、「トリート」、「ラーメン」の3つ。メニューアイテムは多くないが、創造的な一品が多くラーメンの前に「トリート」の中から数品オーダーしてみるのがオススメだ。

「”MU” SSELS」は、 白ワイン、パクチー、バターで蒸したムール貝を、特製のソースにつけて頂く。このメニューにはサプライズがあり、ムール貝を全部食べ終えた後、残った スープに、チョリーソの入った揚げライスボール「アランチーニ」を入れ、それをスプーンで崩してスープに混ぜる。衣の程よいカリカリ感と、貝の出汁の効いたスープが染み込んだ柔らかいご飯は、洋風お茶漬けといったところだろう。

「Tebasaki Gyoza」も人気の一品。見た目はかなり大振りのフライドチキン。一口かぶりつくと、表面はサクサクでクリスピー。中からジュワッとあつあつの肉汁が出てくる。餃子なので、豚肉が手羽先にはさまっているのかと思いきや、詰まっているのはフォアグラとブリオッシュ。 クリスピーな歯ごたえに、口の中に広がるフォラグラの濃厚な味わいは、食べきるのが惜しく、1本をゆっくりといただきたいと感じる。

主役のラーメンは5種類あり、一番人気はお店のシグニチャーの「MU RAMEN」。 牛骨で出汁をとった柔らかい味わいのスープ。麺は縮れ麺で、トッピングのお肉も豚肉ではなく、柔らかなブリスケットがのっている。野菜は、きゅうりのピクルスが添えらており、ほのかな酸味とスープの柔らかい風味の相性は抜群だ。

もう一つの人気ラーメンは、 「TONKOTSU 2.0」。濃厚な豚骨スープにトロトロのチャーシュー。ニューヨークでの圧倒的な豚骨味人気はこのお店も同様。オーナーのジョシュアさんが、以前働いていたレストランで考案した豚骨ラーメンのレシピを改良してできたこの一品。この「2.0」という数字はバージョンアップの印なのだ。麺は豚骨ラーメン定番のストレートな細麺が使われている。麺の硬さまでは選べないが、その辺も改良されると更なるバージョンアップにつながるであろう。(好みの麺の硬さを指定する客が現れればのことだが)

このお店も、日本のようにラーメンを無心で食べてすぐ席を立つのではなく、ニューヨークのラーメン店特有の、つまみと酒を楽しみながらゆっくりとラーメンも堪能するスタイル。ソムリエでもあるジョシュアさんが選ぶワインは、ラーメンとの相性も抜群に違いない。

オープン前から多くのメディアに取り上げられ、ニューヨークのセレブシェフもわざわざ足を運ぶ話題のスポットとあれば、もちろん予約は必須。午後3時から4名までの当日予約を受け付ける。予約なしでのトライもよいが、その場合は最低30分から1時間待ちは覚悟しておいたほうがよい。名前をウエイティングリストに乗せてくれるので、テーブルがあく時間に戻ってくることも可能だ。


Mu Ramen
12-09 Jackson Ave, Long Island City, NY 11101
917-868-8903
http://ramennyc.wix.com/popup