日本のソウルフードをハーレムで食す「Nabe Harlem」


昨今新しいレストランが続々と登場しているハーレム。このエリアでソウルフードといえば、フライドチキンやカラーグリーン等のアメリカのソウルフードだが、日本のソウルフードを提供するレストランがハーレムにオープンした。オーナーのラリー・パーカー氏は、ミッドタウンや、ダウンタウンに行かずとも、ハーレムで美味しい日本食を提供したいと考え、自身が生まれ育ったハーレムで「Nabe Harlem」をオープンした。

パーカー氏は、大学在学中に日本語を専攻。語学だけではなく、文化や考え方等を学ぶには日本に住むのが一番と、大学の交換留学プログラムを利用し、大阪に一年間留学。アメリカの大学に戻り卒業し、その後また慣れ親しんだ大阪でで英語を教える仕事につき7年間生活を送った。もともと食への拘りはないほうであったが、は日本長期滞在を通じて、日本食が大好きになる。

アメリカの食べ物に比べて、日本食のバラエティーの豊かさに感動したというパーカー氏。食材や調理方法の幅広さ、ヘルシーなものから、揚げ物や肉料理と選択肢も広い。その中でも、パーカー氏が好んで食べていた日本食は、うどんやそば。そして、きんぴらごぼうや冷奴等。そして一番の大好物は鍋。食べ物としてだけではなく鍋を囲むことにより感じられる人と人とのつながりという部分も鍋を好きになった理由の一つなのである。

ハーレムにレストランをオープンするにあたり、パーカー氏は二つのコンセプトを持っていた。一つは自分の好きな鍋を提供するレストランをやること。もう一つはライブ演奏をサポートする場所を提供することであった。レストランの物件を探していた際、ラウンジにぴったりな地下とレストランに使える1階のスペースを兼ね備えた物件を見つけ、二つの夢を同時に実現させることができる建物と出会うことができた。地下では、ジャズ、ブルース、アーバンヒップホップと様々なジャンルのアーティストが集い、生演奏やライブパフォーマンスが行われている。

ハーレム鍋というだけあって、鍋料理を提供するレストランだが、内装やメニューの準備ができる前に、まずはレストランの半分をそばとうどんを中心にしたヌードルバー的にオープン。メニューを手がけるのは、日本食レストランのコンサルテーションを行っている、JUNFOOD, INC.の宮嶌 潤三氏。日本食のオーセンティックな味に拘り、メニューアイテムを限定し味の安定をまずははかっているとのこと。お肉入り、カレー、野菜掻き揚げなど6種類のセレクションの中からおそばかうどんを選び、好みに応じて天ぷら、納豆、大根おろし、キムチ等のトッピングを選ぶ。拘りのそばは、ニューヨークで手作りのそばを提供している小谷氏 から仕入れ毎日新鮮なおそばを提供している。

レストラン経営初挑戦のパーカー氏。手探りながらも毎日スタッフと一緒にお客様に日本のソールフードをハーレム紹介、啓蒙活動のも余念がない。レストランの一部の壁を日本人、そしてハーレム在住のアーティストにギャラリースペースとして提供したり、日本酒のバラエティーも増やしハーレムで美味しい地酒が飲めるレストランにもなりたいとアイデアも次々に浮かぶ。そして自分が大好きな鍋料理が提供できるスペースの準備にこれから取り掛かるとのこと。パーカー氏の生まれ育ったハーレムと日本、そしてアーティストへの愛が詰ったソウルフルなレストランだ。


Nabe Harlem
2367 Frederick Douglas Blvd New York, NY 10027
Phone : 347-719-0161
http://www.nabeunderground.com