いきなりSAKE!?新たな日本酒の楽しみ方をニューヨーカーに! 

2017年の2月にマンハッタンイーストビレッジに北米1号店をオープンしたいきなりステーキ。
その後1年半でマンハッタンに8店舗がオープンし各エリアで気軽にいきなりステーキを食べられるようになった。そして、ステーキだけではなく、お肉にあった美味しい日本酒もこの度新メニューとして全店でいただけるようになった。

店内もお酒の紹介を開始。ワインと同じように日本酒を選ぶ人もこれから増えるであろう。

一般的に、ステーキに合う食中酒として選ばれるのは、ワイン、もしくはビール。ニューヨークでも日本酒の愛好家が増えているとはいえ、大半の人は、まだまだ日本酒はお寿司や懐石、焼き鳥などの和食に合わせて飲むという認識。ステーキと日本酒という組み合わせはなかなか思いつかないだろう。

しかし、醤油ベースのいきなりステーキソースでいただくお肉の旨味と、お米でできた旨味たっぷりの日本酒との相性は抜群。ステーキと日本酒という馴染みのない組み合わせではあるが、その味の調和を是非アメリカ人のお客様にも紹介したいという思いから、お肉に合う日本酒のドリンクプログラムを開始した。

これらのお酒がいきなりステーキ全店で飲むことができる。

メニューは、初心者でも気軽に飲んでもらえるようにとお手頃な値段設定と、「クリーン、ライトボディ」、「アロマティック、ミディアムボディ」、「クラッシック、フルボディ」と吟醸、大吟醸などのタイプ別ではなく、味の違いを軸にしたわかりやすい構成となっている。日本酒ファンがかなり増えたN Yとはいえ、実際は大吟醸や吟醸と言われて、それを理解してオーダーできる人はまだまだ少ない。ましてや、ステーキハウスでは、日本酒に不慣れな現地スタッフにとってもお客様にとってもまだまだ難しいのが現状だ。

南部美人の無糖梅酒「Ume rosé」(左)、日本酒ベースのゆず酒「ユズサケリータ」(右)

食前酒として紹介されているのが、日本酒ベースのゆず酒「ユズサケリータ」。ニューヨークでも人気のレモンやライムたっぷりのテキーラベースのカクテル、マルガリータをイメージしている。食前酒としてはもちろん、日本酒ベースなので味が柔らかく食中酒としても楽しめる。また、ロゼワインを好む人や日本酒初心者に試して欲しいという「Ume rosé」は、糖類が一切入っていない南部美人の無糖梅酒。綺麗なロゼ色、そして麹の旨味だけの甘さが特徴で、ステーキとの相性も抜群である。

クリーン、ライトボディのカテゴリーの「八海山」は、ニューヨークでも最も人気の地酒銘柄の一つ、新潟の代表選手。日本酒が初めての方にも飲みやすく、すっきり切れがよく、辛口の白ワインシャルドネを好むひとには好まれる味。スルスルと水のように呑み飽きしない事から、通称「Magic Water」とも呼ばれている。

アロマティック、ミディアムボディのカテゴリーは、毎年ロンドンで開催される世界的に最も大きなワインのコンペティション「インターナショナルワインチャレンジ」の日本酒部門で 昨年2017年世界一の称号「チャンピオン酒」に選ばれた岩手県の「南部美人 」。フレッシュな甘酸っぱいオレンジの香りがほんのり漂うこのお酒は、お米の味もしっかりしており、食前から食中まで楽しむことができる。

天狗舞はお肉との相性も抜群。

もう一つの、ミディアムボディカテゴリーのお酒は、カリフォルニア産の「REI」。純米大吟醸のボトルで15ドルは衝撃のお値段。癖がなく、軽快ながらもお米の味もしっかりしている。ボトルでしっかり量を飲みたい方や、2、3人でボトルを少しずつシェアしたい方にもオススメ。

クラッシック、フルボディのカテゴリーの「天狗舞」は、石川県を代表する酒蔵で、綺麗な黄金色でしっとりとした熟成感が特徴。しっかりとしたフルボディで、フィニッシュはドライ。ステーキには断然赤ワインという方にオススメだ。

ニューヨーク土産にもぴったり!

また、ニューヨークで人気の高いカップ酒。同店では、現在アメリカのみで 販売中の佐賀県「天吹」 のカップ酒がメニューに並ぶ。なんとマイケルジャクソンやビヨンセ、マライアキャリーなどのアルバムカバーを手掛けるニューヨークで活躍中のクリエイティブ・ディレクター、Fuko Chubachi氏 (3DM) のオリジナルデザインカップだ。マンハッタンのスカイラインのデザインとそれぞれのお酒の酵母の花の絵が描かれており、飲んだ後はカップをお土産として持ち帰ることができる。(赤のカップは苺の花酵母、水色のカップはヒマワリの花酵母)

「TATENOKAWA PHOENIX」

また、いきなりステーキブロードウェイ店(243 W54th Street) では、グラミー賞受賞人気ロックバンドPhoenixと山形の楯の川酒造がコラボした「TATENOKAWA PHOENIX」純米大吟醸も紹介されている。バンドメンバーが、パリ在住の日本人の友人で日本食レストランオーナーだった黒田氏の死を偲んで誕生したお酒だ。黒田氏の日本の魅力を世界に伝えたいという思いを受け継ぎ、今まで日本酒に全く触れたことがないロックミュージックファンや日本酒ビギナーにも体験して欲しいという思いが込められたとてもピュアな味わいのお酒。チェリーや洋梨を思わせるフルーティーな香りとジューシーなテクスチャーが特徴。お酒の売り上げの一部は、Phoenixメンバーの意向により、癌で亡くなった黒田氏を偲び、日本の医療活動サポートとして日本赤十字社に寄付される。

こちらの日本酒リストを監修したのは、ニューヨークをベースに日本酒PR会社として活躍している酒ディスカバリーズ社。数々のニューヨークのレストランの酒リストのサポートをしている経験はもちろん、いきなりステーキファンということから、今回のプロジェクトにも力が入っている。
「とにかく、わかりやすいメニュー、そして一口飲んで確実に初心者の方でも美味しいと思って頂けるものを選びました。また、メニュー構成だけではなく、スタッフの酒講習も担当させて頂いています。 今まで日本酒はもちろんレストランでの勤務経験すらないという現地の方がほとんど。現在8店舗、スタッフトレーニングも全店終わるまでに時間がかかると思いますが、一人でも多くの日本酒ファンを増やすべく指導してまいりますので、是非温かい目で見守って下さい!」と、代表の新川氏。

ステーキの本家本元アメリカで、斬新なお店のスタイルと醤油ベースのソースでお肉の楽しみ方、美味しさを紹介しているいきなりステーキ。その日本スタイルの「J Steak」の旨味をより引き立ててくれる日本酒とタッグを組み、これから益々日本の食文化をアメリカに浸透させてくれるであろう。


Ikinari Steak Upper West Side
2233 Broadway, New York, NY 10024
917-261-6280
http://ikinaristeakusa.com