Sam's Famous Hot Sauce

遡ること20年前、サム・バーベリー氏がWaterfront Ale House（ウォーターフロント･エール･ハウス）をブルックリンのアトランティックAVにオープンする際、他のパブとは決定的に違う何かを探していた。

そこで出会ったのが、ティム・スターク氏の作る唐辛子だった。ティムはユニオンスクエアのグリーンマーケットで、最も人気のあるトマトとペッパーを作るスーパースター農家だ。1995年、ティムはチリの苗をブルックリンのストリートフェアで売っていた。それを手に入れたサムに素晴らしい名案が浮かぶ。それは他の店にはないもの、スペシャルな自家製のホットソースを作ることだった。そして、ティムに彼の栽培する全種類のチリを購入できないかと提案する。

サムがブルックリンの店の地下で作るこのソースは、今ではローカルのカルトファンを生み出すほどとなった。数種類のチリをすりつぶして塩と酢を加え、ウィスキー用に使われていたナラの樽に詰め、なんと2年間たっぷりと熟成させるのだ。そこからこのホットソースの辛味と深い味わいが生みだされる。とにかく辛い。それでいて、口に含んだ瞬間の甘味と、この独特な辛味が確かにやみつきになる。

このソースが、この店の名物であるバーガーやチリ、そして自家製スモーク・ポークの隠し味として使われている。うれしいことに、このホットソース、自宅用に購入することもできる。辛味をおさえたい人にはガーリックとトマトをブレンドしたもの、そしてこれでは物足りないという人には、チリをスモークしたものをすりつぶして入れてもらうこともできる。

Text by Yuka Nihei

オーソドックスなボトルに隠された魅力は一度試す価値あり！